移設工事の流れ

移設工事の流れについて

なぜ、移設に時間がかかるの?

とご質問を頂くことが多く、今回移設の流れを簡単に説明します。

移設が必要になった

移設が必要になる要因は様々ですが多いのが、家屋の新築、改築時ですね。
車両の出入り口に電柱や支線が来てしまいどうしようかと悩まれることでしょう。

電柱や支線の所有者に連絡

ほとんどの場合、電柱、支線の所有者は電力会社やNTTです。
どちらか判断が出来ない場合、とりあえず何れかに連絡すればいいでしょう。

判別方法は別途解説します。

現地での立ち合い

先で連絡し所有者が分かり、移設希望の旨相談するといよいよ
電力会社やNTTの設計者と現地での立ち合いとなります。
※関係会社の設計者の場合もあり。
ここでどう移設したいのか又撤去したいのかをお客さまと
設計者双方で確認します。
設計者は技術的、各種法令(技術基準等)、周辺の設備環境を
考慮し移設の可否を判断しますが、技術計算が必要な場合
一旦持ち帰り結果をお客さまに連絡します。
問題があれば再度立ち合いといこともあります。

設計、審査

技術面や法令等に問題がない場合、設計に入り
設計が完了すれば設計担当は設計審査に廻します。
設計審査は工事の内容、規模、工事費用等により審査する
工程が増えます。

  • 係長級
  • 課長級
  • 部長級
  • 所長級
  • 支店、支社長級
  • 取締級
  • 社長

通常、電柱の移設設計では課長級の審査で終了です。
審査が完了すれば用地交渉に進みます。

用地交渉

用地交渉といっても個人の土地(以下、民地)や国、都道府県、市町村の管理する土地(以下、官地)
があり、また民地、官地に関わらず国定公園、風致、砂防、保安林、埋蔵文化財などの規制がかか
る場合もあります。

民地の交渉

下図のように申込者所有地内で移設する場合でも

申込者は自分の土地の中での移設なので他人地への交渉は必要ないと
思われていますが、用地担当者は隣地交渉という名目で他人地へも
電柱が移動することを伝えます。これは工事に着手した際、隣地からの
クレームを避けるために行うものです。

そしてはじめに少し記述していますが、民地内の移設でも例えば申込者所有地が
風致エリア内に入っている場合、風致地区内の工作物の移動の許可が必要に
なりますし、埋蔵文化財があると思われる場合は文化財保護法により事前に
関係箇所と協議が必要で場合によっては申請、許可が必要になります。

※奈良県の遺跡位置 http://www.pref.nara.jp/16771.htm 参照

民地の場合でも、移設に日数がかかる場合も有りえるということです。

官地の交渉

国道、都道府県道、市町村道に電柱を建てる場合は道路の本来の使用目的以外に使用、占用する為に
道路法第32条により占用申請、許可が必要になります。いわゆる32条申請です。

自治体にもよりますが32条申請をする場合、地元代表者(自治会長、総代など)の
同意書を添付させることもあります。

図のような場合も民地と同じように隣地交渉します。理由も同じです。
申請時には

  • 工事概要
  • 位置図(現場案内図)
  • 工事工程
  • 安全管理組織図
  • 道路現況
  • 工事車両の駐車位置
  • 安全(交通)対策図
  • 現況写真

などを添付します。

無事に32条申請の許可が出ましたら、次は工事の際に道路を使用するので
管轄する警察署に道路使用許可を申請します。道路交通法77条に基づく
ものであるので77条申請といいます。

地下埋設物調査

用地交渉が完了または並行して移設先(移設元)の地下に埋設物の有無を確認します。

地下埋設物の例

  • ガス
  • 上水道
  • 下水道
  • 電気
  • 通信(NTT) 等があります。埋設物が有る場合は埋設物をさけるよう設計位置の変更、現場立会に戻ることになります。
    埋設物が無い、埋設物はあるが工事に影響しない場合は次の工程に進みます。

移設費用を収める

ここまで工程が進み、移設する条件が整いましたら電力会社から移設に係る費用の請求書、
納付書が届きます。設計段階で移設費用についてはおおよそ分かりますので事前に
確認しておきましょう。

関西電力の場合
電柱1本の移設工事費は最大318,000円
支線1本の移設工事費は最大33,000円  です。

但し、自己所有地内の移設では移設工事費の請求はありませんし
他の場所で用地提供している場合も移設工事費は発生しません。
また、工事費は減額になる場合が多々あります。移設工事費については
別の記事で詳しく解説します。

移設工事費の納付が完了しましたら、次の工程に進みます。

※移設工事費は電柱netが調査したものです。

資材、工事手配

工事に入る前に設計どおりに工事が施工可能か施工業者(関西電力では主にきんでん)が
現地を確認します。なぜ設計者が確認しているのにまた施工業者が確認するの?と思われますが
設計者も色々で初心者もいれば職人の域に達している人もいますので再度確認する訳です。
設計の簡易な修正が必要な場合は設計審査に戻りますが他の項目には影響しません。

次に資材の手配です。通常使用する資材についてはある程度の在庫がありますのですぐに入手
可能です。但し特殊な資材を使用する場合はこの時点で発注します。納期を確認し工事手配に
入ります。

工事日が決まれば、移設申込者に連絡するとともに、工事箇所周辺への工事周知、停電が必要な
場合は停電周知を行います。工事日の一週間前には工事、停電周知されます。

関係箇所(共架)に周知

電柱には電力会社の設備以外に様々なものが施設(以下、共架)されています。
電柱を移設する場合はそれらの共架物の移設も必要になりますので工事日
工事時間を連絡します。

共架物の例

  • NTT(メタル回線、光回線)
  • ケーブルテレビ
  • 通信ケーブル
  • 信号機(信号機本体、信号制御線)
  • 看板(突き出し、巻き付き看板)
  • 標識
  • カーブミラー
  • 街灯
  • 有線
  • テレビ共聴線
    など多数あります。

スムーズに共架物の移設が上手くいけば電柱の移設もスムーズに進みます。

工事着手

いよいよ工事に着手です。工事が一日で終わる場合もありますし数日かかる場合もあります。
工事についてはまた別の機会に詳しく書きますのでお待ちください

工事完了、検査

工事(共架物の移設)が完了すれば、検査員が検査を行いますがほとんどが机上による検査です。
施工業者の報告書、写真を元に検査します。

 

以上簡単に移設の流れを説明しました。11の工程があり、お客さまは工事着手までの工程がある
ことがお分かり頂けたと思います。おおよそ電柱の移設は2、3か月かかるのはこのような工程が
あるためです。  時間があれば、加筆したいと思います。

 

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